都会のアリス

原題 「都会のアリス」 ( Alice in den Städten )
ヴィム・ヴェンダース監督
( 1974年 西ドイツ映画 )

映画の評価 個人的には80点 (カラー作品だったら100点)

もしもカラー作品だったら、アリスはこんな感じだったろうか? (ちなみに下の画像は別人かも?)

ヴィム・ヴェンダースといえば、ベルリン・天使の詩などで知られる有名な監督で、その初期の
ころの作品である。ひとつ前「緋文字」の撮影現場でイェラ・ロットレンダー(本作のアリス役)と
リュディガー・フォーグラー(本作のおじさん役)が仲良くなったのを見て、この企画を思いつい
たという。しかし監督が撮影中にペーパームーン(同時期のアメリカ映画)の試写を見て内容
があまりに似通っていたため、撮影を中止しようとしたという有名なエピソードがある。(その
ため、脚本が後半を中心に書き直されたという) 確かに前半に比べて、後半はトーンが違う
印象のある映画である。もっとも、それは実は幸いだったかもしれない。なぜならば、本作の
印象的なシーンの多くは、主に後半に集中しているように見えるからだ。

30過ぎのおじさんがひょんな事から10歳前後の微妙な年ごろの少女を連れて旅する物語
で、書き直しのおかげかとりあえず完成した本作はぺーパームーンに似てない。そして
有名なドライブシーンがあり、パンツ一丁で水泳したりするのは、その書き直された後半
方なのだ。カラー作品でなかったからこそパンツ一丁で水泳できたかもしれないが、やはり
カラーで撮るべき作品だったでしょう、監督。そうはいっても胸ぺったんこなんですけどね。
まさに、男児のようにぺったんこ。ドイツ語って、もっと相手を威圧するような強い語感だと
思ってたら、アリス役のイェラ・ロットレンダーの声が意外に可愛い。まあ、胸がぺったんこ
なぐらいの子供だから当たり前か。でもね、なんでカラーで撮ってくれなかったんだろう…。


車を追いかける子供のシーン。なぜ半裸なのかは不明だが、おじさんの心も
アリスと同じくらいの子供時代に戻ってしまった事を表現しているのだろうか?


撮影中の画像があるサイト
(ドライブシーンでは監督が真後ろの座席に座ってたのね。右端は上の画像の子かな?)
http://wimwendersstiftung.de/en/film/alice-in-den-staedten-2/




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